愛のむきだし

園子温監督の愛のむきだしを観てきた。
キネカ大森で園子温二本立てで、冷たい熱帯魚も上映している。
一日に二本はお腹いっぱいになるので、今日は愛のむきだしだけ観た。
今まで観た映画の中でも一番かも知れないぐらい良かった。
まず、およそ4時間という上映時間。
途中で休憩を挟むんだけれども、あっという間で全然長いと感じない。
主演がAAAの西島隆弘、ヒロインが満島ひかり。元Folder5
あとコイケ役の安藤サクラの3人が主軸となって話が進んで行く。
西島が純粋・素直な高校生・ユウを演じていて、神父である父親の
気を引くために、日々罪を犯し懺悔する。
その罪を作る行為のために後々の親友となる3人と出会い、
その後何故か盗撮するための修行を積み、後々盗撮の使い手、カリスマになるという、
面白いというかよくわからない事になって行く。
で、ユウがサソリという偽名で女装しているときに
満島演じる女子高生・ヨーコに出会い、
女装のまま一緒にチンピラを退治して、ユウはヨーコに、ヨーコはサソリ(≠ユウ)に
恋をするという、奇妙な事になる。
それぞれ、純粋に片思いをするんだけど、ヨーコはユウを毛嫌いする、
かつ、ユウの父親とヨーコの義母が結婚するという
変な事になってしまう。そのときに、ゼロ教会普及拡大を狙うコイケが忍び寄り、
ユウの家族ごと教会に巻き込んでしまい、ユウがヨーコをゼロ教会から
救い出そうとするけども、ヨーコは完全に洗脳されてしまっていて救い出せず、
なんとか忍び込んで、救い出そうとしたときに、ユウが精神崩壊してしまい、
それと同時に今度はヨーコが正気に戻り、ユウの思いに気づき、
ユウを救い出そうとするというのが、ざっくりしたあらすじ。
前半は比較的面白おかしく観れるのに、後半は迫真の演技が続き、圧巻。
新興宗教のようなものに、家族や愛する人がハマってしまうという恐ろしさ、
それを救い出そうとする勇気、手助けしようとする親友との友情、
そして精神崩壊してしまうぐらいに愛を貫く想い・本能。
とても良い映画だった。素晴らしい。
あと、主題歌がゆらゆら帝国の空洞です。映画の中でゼロ教会の信者が
宗教の歌として合唱していたりしていて、それが妙に合っていた。