冷たい熱帯魚

キネカ大森にて、園子温監督作品、冷たい熱帯魚を観る。
平日の午前だっていうのに、人の入りが多い。
おとといに観た、愛のむきだしとは違い、話がより暗い。恋の罪の暗さに近い。R18。
でんでんがスゴい。村田というおっちゃんを演じきっている。
愛想のいいエンターテイナーな人と思いきや、
冷酷かつエロいおっちゃんという役を、迫力満点に演じきっている。
小さな熱帯魚店を経営する社本(吹越満)が、
再婚した嫁(神楽坂恵)と、実の娘の美津子と、
ぎこちない家庭を気づいてしまい、娘はぐれるわ、嫁は隠れてタバコ吸うわ、、
でも、強く注意できないという、何とも情けない状況だった。
で、娘の万引きキッカケで、でんでん演じる村田と出会い、
娘を村田の経営する大型熱帯魚店に住み込みバイトするようになる。
その後徐々に村田が本性を現し、社本の嫁とヤッたり、
高級魚ビジネスという名目で、吉田から金をだまし取り、かつ
自分に逆らったやつを平然と消して行くという残酷さを露呈する。
透明にするという言い回しで、殺したひとを小屋の風呂場で解体するシーンが
何度かあるんだけども、そのシーンのグロさはスゴいものがあった。
死体の解体の観察者というか、輸送のヘルプというかで社本を巻き込むんだけど、
社本のおびえた姿に対して、村田が恫喝する。
嫁とやったことなどを社本にばらし、わざと村田に殴らせたり、
村田の嫁とやらせたりしようとするわけだけど、それがキッカケで
社本が村田を刺してしまう。
社本が覚悟決めた後の変貌もスゴい。自分の嫁を無理矢理犯すシーンが
何とも切ない。最終的には自分で自分を刺してしまう。
何とも言えない。。まさに、人生は痛い。
これまたスゴい作品だった。